(ブルームバーグ): パナソニックホールディングス(HD)は、早ければ年内にも容量を
高めた次世代電池を米ネバダ州の車載用円筒形リチウムイオン電池工場で量産化する計画だ。
生産拠点の新設だけでなく、既存工場で電池性能や生産性を改善することで、2030年度に
生産能力を現在の4倍に拡大する計画の道筋をより確実にする。
同社の電池子会社、パナソニックエナジーの渡辺庄一郎最高技術責任者(CTO)が11日
に大阪府内で行われたインタビューで明らかにした。
ネバダ工場では「2024年、25年に向けて電池そのものの容量を上げて、
さらに生産性のところを上げる」戦略だと説明。
25年度までに生産能力を10%高めることに自信を見せた。
同工場は米電気自動車(EV)メーカー、テスラと共同運営している。
パナソニックHDは世界的な脱炭素化シフトを受け、車載電池事業を
重点投資領域に据えて大規模投資を進める。
現在北米2拠点目となるカンザス工場を建設中のほか、今年度中に3拠点目の場所を
決定する方針で、現時点で50ギガワット時(GWh)程度の生産能力を30年度までに
200GWhまで引き上げることを目指す。
200GWhはEV400万台に相当するとされる。
国内生産も米国では22年にインフレ抑制法が成立し、米国で生産された
電池は補助金を受けられるようになった。
パナソニックHDにとっても、今期(24年3月期)は調整後営業利益ベースで
850億円の押し上げ効果がある。
一方、国内でも脱炭素化のカギとなる電池の戦略物資としての
重要性が高まっていることは言うまでもない。
日本政府は22年に策定した蓄電池産業戦略で、30年までに国内での
リチウムイオン電池・材料の年産能力を150GWhに高める目標を掲げ、
電池関連投資を支援している。
渡辺氏は日本での車載電池生産の拡大について、製品の供給先である
自動車メーカーの意向に左右されるものの、日本勢でシェア首位をつけており、
思いとしては「ここまで育ててきた自負があるので、是非やりたい」と述べた。
パナソニックHDはSUBARUやマツダと車載電池供給について協議している。
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--取材協力:森来実.