スマホで簡単に投資ができる時代になりました。不動産投資もいろいろです。
最近、市場が急拡大している「不動産クラウドファンディング」について考えます。
「#地球の宝を守れ」という合言葉のもと、国立科学博物館がクラウドファンディングで
支援を求めたニュースは記憶に新しいです。
このプロジェクトは、募集終了日の11月5日時点で、支援者5万6584人、
支援総額9億1602万5000円(目標金額1億円)で期間を終了しました。
クラウドファンディングは、クラウド(群衆)と
ファンディング(資金調達)を組み合わせた造語です。
直訳すると「群衆から資金を集める仕組み」ですが、
これまでは寄付のイメージが強かったように思います。
日本クラウドファンディング協会によると、クラウドファンディングの
種類は大きく5つに分けられます。
(1)購入型(寄付型含む)、(2)融資型、(3)不特法型、(4)ファンド型、
(5)株式型(セキュリティ型)があります。
クラウドファンディング事業者は、資金を必要とするプロジェクトの実行者に、
資金を提供する支援者を仲介する役割を果たします。
よく知られているものは(1)です。前出の博物館や寺院、学校などの多くは寄付型です。
購入型は、「新製品を作るに際して、アイデアやノウハウを持っていても資金がない」
「実績がないので借り入れもできない」このような事業者を資金面で応援する仕組みです。
文字通り購入(支援)することにより、モノやサービスなどの見返り(返戻)があります。
以前、映画作成費用のクラウドファンディングで、支援者の名前が
エンドロールで紹介されて話題になったこともあります。
不動産クラウドファンディングの実態
今回のテーマである不動産クラウドファンディングは、(3)不特法型になります。
これは、不動産特定共同事業法に基づくクラウドファンディングです。
不動産特定事業とは、複数の一般投資家から資金を募り、
不動産を購入・賃貸・売買などの不動産事業を行うことです。
事業者は許認可制になっています。
この事業はこれまでもありましたが、2017年に不動産特定共同事業法の改正があり、
インターネットで投資家の募集や契約ができるようになったことで、
不動産クラウドファンディングというカテゴリーが生まれました。
国土交通省のホームページ(※)によると、その市場規模は急拡大しています。
先出の購入型(寄付型を含む)が「応援」の要素が大きかったことに比べると、
不動産クラウドファンディングは、投資の一手法です。
運営事業者は資金提供者(投資家)から資金を集めます。
その資金をもとに、マンションやオフィスビルなどの対象不動産を購入・運用・売却し、
得た利益を資金提供者(投資家)に還元(分配)します。
各事業者の募集サイトには、対象物件の概要・想定利回り・想定運用期間
・募集期間・募集金額などの情報が記載されています。
事業者ごとに特徴がありますので、興味を持たれた方は、
複数のサイトを比較・検討されることをお勧めします。
J-REITは証券取引所に上場していますので、流動性の高さがメリットです。
日々の値動きがありますので、売却のタイミングによって損益が左右されます。
不動産クラウドファンディングは運用期間中に解約できないことが多いので、
その点は注意が必要です。
ワンルームマンション(現物不動産)投資は、当該不動産を所有しますので、
投資金額も大きくなります。
ローンを組んで準備できますので、少額で大きな金額を動かす
レバレッジ効果がメリットとなります。
物件管理などを専門業者に任せることはできますが、空室リスクがありますので、
立地条件など慎重な物件選びが必要です。
諸々の手間や労力を考えると、不動産クラウドファンディングは手軽に始められる
不動産投資として、今後も関心が高まりそうです。
運営事業者や商品が多くなると、玉石混交の様相を呈することも考えられます。
投資全般にいえることですが、内容の吟味が重要になるでしょう。
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