ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が8月に死亡した件で、
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は22日、プーチン大統領の側近で
あるパトルシェフ国家安全保障会議書記が承認した暗殺だった、と報じた。
プリゴジン氏ら10人が乗ったジェット機は、今年8月23日に墜落。
ロシア政府は一貫して関与を否定し、プーチン氏は10月、
機内で手投げ弾が爆発したことが原因だと示唆していた。
一方、WSJは複数の西側諸国の情報当局者やロシアの元情報当局者の話として、
プリゴジン氏の暗殺は墜落の2カ月前から計画され、主翼の下部に小さな
爆発物を設置して実行したと報道。
ロシア政府高官は事件の数時間後、「彼は排除されなければならなかった」と
ある欧州人に語っていたという。
プリゴジン氏率いるワグネルは6月、ロシア南部の軍司令部などを占拠し、
モスクワに向けて進軍した。
WSJによると、パトルシェフ氏はこれ以前から、プリゴジン氏の影響力の高まりに
ついてプーチン氏に警告。
「反乱」を暗殺の機会ととらえたという。
WSJはパトルシェフ氏について「巨大な官僚機構のレバーを握っている」と指摘。
プーチン氏に極めて近い後継者候補で「ロシアで2番目に強大な権力を持つ人物だ」と伝えている。
(ロンドン=藤原学思)
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